ドドリア家の食卓 その３

そして出来上がったのがこれである。









ご覧いただけたであろうか。
茶色のグロテスクな液体に浸された、じゃがいもとたまねぎとじゃがいもとおにくとじゃがいもとにんじんである。にんじんが圧倒的に足りないのは、与助氏が「にんじんなんか嫌いや」などと仰られた所以である。たまねぎは２玉買ってきたが、忠太郎にはカリソメリーダーの権限で１玉しか切らせなかった。たまねぎは嫌いではなくただちょっと個人的に許せないだけである。じゃがいもは大好きなので５個入り袋を全部入れた。
ちなみにその中心に居座るはじゃがいもの王。





いもキング。




やがて僕たちは食卓にならんだ。 しかし、じゃがいもを入れすぎたせいか、あるいは火を通しすぎたせいか、はたまた地球温暖化による水分不足によるものか、カレーの水分含有率は極端に低くなっていた。
正直、限りなく固形物に近くなっていた。
「かたい」
「ごらん。スプーンが刺さるよ」
「これではまるでウン……」与助の兄がタブーを犯し、我々の食欲に甚大なるダメージを負わせた。それからは誰も口をつけることは出来なかった。実際目の前に盛り付けられているからどうしても想像してしまう。我々はお互いにうなずきダイニングを後にした。 あまりにひどい現実と対面するには、僕たちはまだ若すぎたのだ。

与助の部屋に伏すdodoria。
二人はどこか傷痍兵を思わせる表情だった。これが２０代のする顔かと思ったがおそらく僕の顔も同等かそれ以上に疲弊しきっているのだろう。我々はMPの回復を図るためWiiで遊んだ。
ああマリオブロス面白い。
マリオをぴょんぴょんと跳ねさせているうち、すこし元気になった忠太郎氏が微笑みながら言った。

「次はパスタをつくろうよ」

たしかに次作るならパスタがいい。今回はちょっと色々あって、カレーが失敗しただけである。むしろ成功しなくて良かったとさえ僕は思う。でなければ今回以上に糞みたいな食卓になったはずだ。親友である与助に趣味を持たせたい、という本人の意思を棚にあげた大義名分のもと、僕たちはいかにしてdodoria的料理を作るか？　に腐心しなくてはならないのだから。
というわけで次回ドドリア家の食卓



パスタ作るよ