ドドリア家の食卓 その２

どうしてこうなった。

彼らは私に料理という趣味を持たせようと画策する。
二人曰く。
やはり漫画家だけでなくクリエティブな職業を目指すものならば、多少なりとも趣味、あるいはこだわりを持っていた方が作品としての質も上がるし、その手のファンも付いてくる。
そこは与助も同感ですが、別に与助は二人に無趣味と言った覚えはありません。彼らがどういう風に普段の私をみて、そう解釈されたのかは判りませんが、遺憾ですよ。

ありますよ！趣味の一つや二つぐらい！
睡眠でしょ。読書でしょ。ゲームでしょ。後はえっと…。

…………。

そんな私に憂いを感じたのであろう、あの二人は…！
余計な世話である。


当日、我が家に集う三人のドドリア+部外者一人。材料は企画した義光さん持ちで、いざ料理を始める。そんな小学校の家庭科の授業で、初めてのカレー作りに悪戦苦闘しているガキ共じゃあるめぇ。人生経験のある大人な我々がパパっと作って終わらせちゃいましょう。

おっと義光さん、米の量に対して水が多くないかい？
おっと忠太郎殿、ジャガイモの大きさがちっとでかくないかい？
おっと部外者、具の量に比べてカレーの量が少なすぎないかい？

駄目だこの大人たち、ふざけ過ぎている。大人な分、カレー作りを嘗めてかかっている。

私は私で、途中で寝てました。すいません、睡眠が趣味なもんで。