少女が好きだ！

ロリータコンプレックス、それは崇高なる性への目覚めであり、まさに哲学と読んでも過言ではないだろう。
そよ風にたなびく、まだ幼げに黄色く咲き誇るたんぽぽと朝露に濡れそぼるスミレの群生に舞う、あでやかなる陽気にきらめいた小さな輪が光の糸を紡いでゆく。

私は夢を幻想の最中にいるのか！

だとすれば麗しき、否、妬ましきわが妄想よ、いつまでも途絶えることなき夢の続きを、あくなき舞踏を永久に約束したまえ。

黄金色に揺れるとうもろこしの房のように靡く少女の髪が円を描いてゆく。小さな両の腕をこれでもかと、空への飛翔を渇望せんばかりに、広げ、目一杯の背伸びを思わせるその姿はやがて地上を離れ、少女は妖精の如し凄艶を保ち（いや天使のと表現すればよいのだろうか）宙を舞うのだ。翼は少女のしがらみを知らぬ奔放さを形象し、潤いを覚え、シルクを思わせる透明さを有し、時折、プリズムが七色を主張する。少女の心は、魂は、今まさに女神への同化ともとれる美を、健康美を持って、はばたき、天使はその御心を奪われ、代替的に地へ伏すがいい！

オルタナティブ！

生命は狂気乱舞する。

まさに瞬間、「蒼」は大海原に映えるコバルトブルーは少女の煌めく瞳となって万物の誕生を喜び、「白」はあらゆる罪人の罪悪を受け入れる「潔白」は少女の透き通るような肌によってのみ証明されたし。罪深きは無論、私だ。あらゆる存在は罪深きを悔い、嘆き、歓喜と嬌声を地に轟かし、偉大なる大地に頭を垂れて、許しをこうだろう。

そうだ！

くるぶしが美しい。足が好きだ。なんと無骨なんだろう。瞬間、私は悟った。美しさは「完全」ではない。未完成と不安定の狭間に揺れ動く美こそが真実なのだ。

おお、彼女のくるぶしよ、とんがったあなたは少女のコンプレックスとなりて未来永劫、魂を救済し続ける義務を課せられたか！

なんという名誉。

私はあの日を忘れない。哲学の生まれはいつだって享受とは限りはしない。愛と呼ぶにはいささか歪み、いささかの社会的侮蔑によりかかられようとも、貫き通す性は限りなく愛に近づくことに誰も彼も知らんぷり。私は幸せ。彼らという不幸をお祈りしよう。主よ、彼らに許しを与えたまへ。そして少女に幸せと目覚めを、与えたまへ。