旅行へ行く前日の記録。
明日に備えて早めに寝ようとするが、様々なトラブルが与助を襲う。
世界の破滅を誘う唄声。実の兄との血戦。失われた記録。そして舞台は夢の世界へ…。
果たして与助は眠りに着く事が出来るのか…!
鳥取旅行の前日。
着替えの服、バスタオル、カメラ、「吾輩は猫である」、歯ブラシ、DSi、PSP、カメラ漫画用画材、などなどをキャリーバッグに詰め込んで、早めに旅行の準備を済ませた。
明日に備えて午後九時頃にはソファーで横になって眠っていると、
隣の部屋から聞こえてくる絶叫にも似た唄声が私の目を覚まさせた。時刻を見るとまだ10時。
ガバッとソファーから転げ落ちるように這い出て、兄貴の部屋を叩っ蹴る。
ワンー、ツー、キック!3HIT!
やかましいわと怒声を張るものの、野郎の叫びに一片の狂いが聞き当たらねぇ。
鍵のかかった扉をコインで無理矢理明けると金切り声が殴りつけるように自分を襲った。
や、やめろ…!世界が淀む…異次元が開く…っ!
何とかしなくてはならない。少なくとも、俺の睡眠を妨げるのだけは防がねばならない!
「やめろ兄さん!世界を壊す気か!」
「止めて見せろ…!この私を…!」
今ここで世界の命運をかけた戦いが繰り広げられる。
野郎は超能力とバットの使い手、対する与助は吸引力の衰えないピンク色のダイソン。
果たして勝利の女神はどちらにほくそ笑むのかっ!?
結果はともかく、野郎との血戦で完全に目が覚めた与助は何か忘れ物がないか、鞄の中を確認する。
すると、カメラにSDカードが入っていない事に気付く。どこにしまったか、記憶にない。
机や本棚の引き出しを調べても、ソファーの下を調べてもまるでない。
まさかと思って念のためにパソコンやDS、Wiiに入ってないかと探るものの結局は杞憂で終わる。
何処へ行ったマイSDカード。家じゅうのありとあらゆる場所を捜索しても、一向にSDカードの影も形も見当たらなかった。
時間も時間だし、与助は断念して再びソファーへと戻った。
全く何処へいったのだろうか、あれがなければ明日の旅行で写真が撮れない。このままで鳥取の砂丘や浦富海岸の絶景をカメラに収めて後に模写しようという私の企てが…!いや、まだ終わっていない。
まだ打つ手はある。単に新しくSDカードを買えばいいじゃないか。財布の太り具合が芳しくなくなるが、致し方がない。これは戦争だ。鳥取の絶景と私との戦いなのだ
次回へ続く
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