ドドリア家の食卓

昨日、与助宅の台所を拝借し、男四人、力合わせてカレーを作ることになった。
そもそもの始まりは、与助氏に料理の楽しみを感じてもらおうと僕と義光で企画したイベントであった。

僕らは思ったのだ。
与助氏に足りないモノは何かと。そう、彼の生活において大半を漫画という崇高なるクリエイティブな活動が
占めていたが、それだけで、彼は人生を全うすることができるのであろうか。
僕と義光は話合った。親友の人生に潤いを与えようと、必死に話合った。
その結果、料理という趣味を思いついたのである。
そして、定番のカレー。これならば失敗する余地もないであろう。
そして、風味たっぷり、作った後の噛みしめるおいしさを体感してもらえば、きっと与助氏も料理の楽しみを肌身で感じてくれるだろうと考えたのである。

そして、当日、午後１２時をまわって、午後二時。
与助宅の丸テーブルにはグロテスクな茶色い液体と流動食のようなもはや白米とは呼べない飯が並んだのであった。