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Dodoria.blogはクリエイター職を目指す義光、忠太郎、与助の3人が 互いを切磋琢磨しながら実力向上を図り、仕上がった作品を記録として残すために設けられたブログである。
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こんばんは義光です。
なんとなく書いたものをうp。ぶっちゃけ適当すぎた。今は反省している。






『ひもとねこと神』



 僕の、引越し先のベランダにはひもが付いていた。
 というか、垂れていた。天井からではなく、ベランダの外側から垂れていた。ちなみに一軒家である。『この家より上にいる人』は神様以外に存在しない。奇妙に思って、欄干に寄りかかりひもを見上げてみると、それがどことも繋がっていないことが解る。つまり、空からそのひもは垂れているのだった。あるいは雲から。ヘリウムを詰めた風船が目視不可能な距離まで飛んでいるというリアルな可能性も想定できたけれど逆に現実的でなかった。だってひもは欄干のどこにも結ばれていないのだから。なんだ、このひも。
不思議さと共に興味が沸いた。僕はそれを引っ張ってみることにした。
「にゃー」
ねこが降ってきた。
引っ張ったぶんひもは伸びたが、ある程度伸びきると、ひもはたしかな手ごたえを返してくる。空のどこかで繋がっているのだ。ねこが僕の右足にまとわり付いてきた。僕は聖書を思い出していた。たしか神様が、地上の亡者を救うために天のクモを遣わす。そのクモは地上に糸を垂らし、信心あるものには登れるという設定で、地上の人々の信仰を試す。という話だったか。たぶん細かい部分で齟齬があると思うが、大体そんな感じだったように思う。僕は亡者でも信者でもないしこのひもだって明らかにナイロン製の人工物だったけど、ひょっとすると、登るために存在するのかもしれない。ねこが右足にまとわり付いてきた。ねこ缶なんてねーよ。僕はひもを、今度は全体重を乗せて掴まる。
すると僕の体は浮き、一瞬で地面に付いた。あれ。
ひもが力なく弛んでいく。たるみは徐々に増して両手からこぼれ、へなりと地面についた。
僕は空を見上げる。
雲が揺れていた。ようく目を凝らしていると、空にぽつりと黒い点が出来ていた。それは大きくなっていて、何か、小さくはないモノが落ちてきていると解る。心なしか音も聞こえてきた。何が発する音なのかは特定できないけれど、その何かは一度まばたきする間に、まさに一瞬で、欄干より下の地面に落ちた。今度はねこではなかった。「いててて」という苦しそうな声がした。下を覗くと、人が体を起こしている最中だった。
背中まであるよれよれの白髪、お腹まで届くぼさぼさの白髭、そして痩身ながらも引き締まった筋肉――あぁ全裸。
神様だった。
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