Dodoria.blogはクリエイター職を目指す義光、忠太郎、与助の3人が
互いを切磋琢磨しながら実力向上を図り、仕上がった作品を記録として残すために設けられたブログである。
category:ひとり暮らしな日々(忠太)
映画とか、ドラマの登場人物で小説家が一杯のコーヒーをすすりながら、ワープロで小説を書いている光景を見たことがあるだろうか。傍目から見ていると、一見、とても優雅な雰囲気を漂わせているようにも見える。
朝八時。小鳥の鳴き声で目が覚めた。それから二時間ほど、小説を書いていたのだが…。わずか5分で頭を抱え込んだ。構成力が、表現力がどうして自分にはこんなにも足りないのか!きっとベランダのガラス越しにこちらに気付いた人がいれば、優雅な一日の始まりを予感させたことだろう。だが、それはまやかしだ。当の本人は始終、液晶の画面の前で、泥沼のように広がるイメージの中で先も見えずにもがき、のたうちまわっているのだから。コーヒーの味なんてまず覚えちゃいない。まずコーヒーなんて入れる必要があったのか?
というわけで今朝の一日も苦悩から始まった忠太である。
朝八時。小鳥の鳴き声で目が覚めた。それから二時間ほど、小説を書いていたのだが…。わずか5分で頭を抱え込んだ。構成力が、表現力がどうして自分にはこんなにも足りないのか!きっとベランダのガラス越しにこちらに気付いた人がいれば、優雅な一日の始まりを予感させたことだろう。だが、それはまやかしだ。当の本人は始終、液晶の画面の前で、泥沼のように広がるイメージの中で先も見えずにもがき、のたうちまわっているのだから。コーヒーの味なんてまず覚えちゃいない。まずコーヒーなんて入れる必要があったのか?
というわけで今朝の一日も苦悩から始まった忠太である。
うん、ランニングでもしようかな。なんていうかずっとパソコンの前にいるからほんと、不健康。地下で育ったアスパラなんてよく言うけど、誰が作ったんだろうね。この素晴らしい表現。もうインドア派とか言うのやめて「白アスパラ派」でいいんじゃないだろうか。なんて考えながら、外着に着替えていざ病院へ。今日はさすがに意を決して、あれをしに行こうと思い立ったのだ。
一年におけるイベントの中でもワースト3には必ず入る出来事のあれだ。
「インフルエンザの予防接種」である。うぅ、言葉にするのも恐ろしい。ハリーポッターで言えばヴォルデモートくらい恐ろしい。普段の行きつけの病院も今日だけは、まがまがしい雰囲気をまとった廃墟のように思える。中には苦しげにのたうちまわるゾンビが一匹、二匹、5匹。ひぃいい。
うそです。患者さん、ごめんなさい。
おばちゃん「痛くないからね」
忠太「え、死ぬの?」
おばちゃん「…いきますよ。それ」
忠太「あぁああああああ!」
2011年1月15日、○○病院中に叫び声がこだました。
まぁそこまで大げさではないが、本当に恐かった。なんか俺は色々チキンだな。夜は真っ暗にされると恐いし、ジェットコースター恐いし、お化け恐い。何だ、もう生きる意味あるのか、これ。もう焼き鳥にして食ってくれよ。いやそれも恐いわ。そもそも何故予防接種の日を今日に選んだのか。これには訳がある。今日はセンター試験リスニングの監督を任せられているんだ。
そう、受験生はインフルエンザにかかろうが、結核になろうが奴らは這いずってでも試験を受けにくるのだ。一年で一番誰よりも、高校三年生は1月15,6日に強くなるのだ。血へどを吐こうが、赤痢になろうが、彼らを止めることはできない。それほどまでに彼らは真剣なのである。
そんなことを知りもしない私、忠太は単純に受験生にインフルエンザを移されまいと予防接種に出かけ、試験監督マニュアルなぞろくに眼を通さずに、日がな一日まだかまだかと寝ていた次第。
そろそろかと時計の針は3時50分をさしていた。そして、散歩のついでのような感覚で出かけ、空気が澄んでいるなぁなどと呑気なことを考えつつも、試験会場に向かったのだ。ん?何か、いつもの学校か?そこらじゅうにバリケードが貼られ、学校はほとんどテロリストにでも占拠されているような異様な緊張感が漂っていた。
警備員のおっさん「こら君、受験生かね?それとも監督補助の者かね?」
いつもの呑気な警備員のおっさんが、何か難しい日本語を使っている。
忠太「はい。監督補助の者です」
おっさん「ならば、名札をつけんかぁ!」
そう通行証みたいな物でそれをつけないと入れないらしいのだ。だからってそんな怒鳴んなくたっていいじゃんか。普段から酒飲みながら、仕事こなしてるくせに。言いつけてやろうか。などということは言わないが、何だいつもの大学じゃないじゃないか。
横を同じように名札をつけ、スーツを着た女の子達がこちらを指差してくすくす笑っている。
えっ?スーツなの?そんなに?そんなに引き締めていくもんなの?
途端に冷や汗が背中から湧いてきた。まぁでも大丈夫だろ。などと強がってみたのが、更に間違いだった。受験生達の群れが我先にと、トイレへ向かう。何だ?あの血走った眼は。必死なのだろう。この受験に命をかけているものだっていることに、この時、初めて俺は気がついたんだ。
簡単に言ってしまえば、受験生達の異様な緊迫感に、飲まれたのである。
生唾をごくりと飲む。これは気合いを入れなければ。監督補助の控室にゆくと、必死に皆マニュアルを何度も読み返しているじゃないか。誰もがこう思っているのだ。自分の責任で試験をぶち壊しにしたくない、と。自分の役割がいかに重要であるかよくわかっているのだ。そう、気がつけば我が双肩には何十人者の人生がのしかかっていた。
私、忠太も急いでマニュアルに眼を通した。…。意外とややこしい。何?機器の使い方も覚えないといけないの?リスニング中は会話ができないから、問題が起こったら、筆談!?筆談のやり方って?
マニュアルもマジだった。
かなり必死だったのでこの辺から記憶が曖昧。とりあえず、担当になった教室で高校生五十人とご対面する。皆、眼がマジだ。取って食われるんじゃないかと思うほどの真剣さ。ここで
忠太「ぴゃーい」
なんて言ってでもみろ。裁判沙汰である。結果として、緊張に飲まれたのが幸いだったか、無事業務をこなすことができたが、異様な緊張感の中で、試験中、激しいまでの郷愁に駆られた。自分が高三の頃はどんなだったかとか、センターの時は自分も緊張に負けて休憩時間に毎回、トイレに行ったなぁとか。
試験の最中、彼らは何を考えているんだろう。
と想いをめぐらせた。
三年間、塾やあまたの参考書を買い込んで、勉強してきたのだ。色んな人に教えてもらって、色んな青春とバランスを取って、この一瞬に全てをぶつけているのである。笑いごとじゃないんだな。試験中もずっとマニュアルを確認し続けた。万が一、トラブルが起きても対処できるように。30分の間、一切気を抜いたつもりはない。
長い。とても長い30分だった。
機器を回収する段になって、自分は色んな顔をした受験生を見た。
落ち込んで機器もろくに渡せず、下を向いている子。嬉々として機器を笑って帰してくれる子。
色んな想いが一つの教室に駆け巡っていた。彼らの試練がひとつ、終わったのだ。
おつかれさま、である。
とかなんとか考えながら、事務に戻ると、事務のおばちゃんの鬼のような形相に出くわした。
おばちゃん「忠太君」
悦に耽っていた忠太「あへ?何でしょう?」
おばちゃん「また渡した資料返してないでしょう!マニュアルと名札!さっさと出しなさい」
すんません、最後に気抜きました、思いっきり気抜きました。w 最後の最後におこられた。
まぁ無事に終わり、今自宅で、呑気にキーボードを打っているわけだが
つ、つかれた。大して働いてないけど、精神的に色々疲れますた。
受験生、明日もセンターがあると思うけれど、とりあえず無理はしないでほしいと思う。
それから緊張に弱い人は昼ごはんはペットボトルのお茶とカロリーメイトだけにしとくと、あんまりトイレに行かなくて済むと思います。
明日も気をつけて、いってらっしゃい。
一年におけるイベントの中でもワースト3には必ず入る出来事のあれだ。
「インフルエンザの予防接種」である。うぅ、言葉にするのも恐ろしい。ハリーポッターで言えばヴォルデモートくらい恐ろしい。普段の行きつけの病院も今日だけは、まがまがしい雰囲気をまとった廃墟のように思える。中には苦しげにのたうちまわるゾンビが一匹、二匹、5匹。ひぃいい。
うそです。患者さん、ごめんなさい。
おばちゃん「痛くないからね」
忠太「え、死ぬの?」
おばちゃん「…いきますよ。それ」
忠太「あぁああああああ!」
2011年1月15日、○○病院中に叫び声がこだました。
まぁそこまで大げさではないが、本当に恐かった。なんか俺は色々チキンだな。夜は真っ暗にされると恐いし、ジェットコースター恐いし、お化け恐い。何だ、もう生きる意味あるのか、これ。もう焼き鳥にして食ってくれよ。いやそれも恐いわ。そもそも何故予防接種の日を今日に選んだのか。これには訳がある。今日はセンター試験リスニングの監督を任せられているんだ。
そう、受験生はインフルエンザにかかろうが、結核になろうが奴らは這いずってでも試験を受けにくるのだ。一年で一番誰よりも、高校三年生は1月15,6日に強くなるのだ。血へどを吐こうが、赤痢になろうが、彼らを止めることはできない。それほどまでに彼らは真剣なのである。
そんなことを知りもしない私、忠太は単純に受験生にインフルエンザを移されまいと予防接種に出かけ、試験監督マニュアルなぞろくに眼を通さずに、日がな一日まだかまだかと寝ていた次第。
そろそろかと時計の針は3時50分をさしていた。そして、散歩のついでのような感覚で出かけ、空気が澄んでいるなぁなどと呑気なことを考えつつも、試験会場に向かったのだ。ん?何か、いつもの学校か?そこらじゅうにバリケードが貼られ、学校はほとんどテロリストにでも占拠されているような異様な緊張感が漂っていた。
警備員のおっさん「こら君、受験生かね?それとも監督補助の者かね?」
いつもの呑気な警備員のおっさんが、何か難しい日本語を使っている。
忠太「はい。監督補助の者です」
おっさん「ならば、名札をつけんかぁ!」
そう通行証みたいな物でそれをつけないと入れないらしいのだ。だからってそんな怒鳴んなくたっていいじゃんか。普段から酒飲みながら、仕事こなしてるくせに。言いつけてやろうか。などということは言わないが、何だいつもの大学じゃないじゃないか。
横を同じように名札をつけ、スーツを着た女の子達がこちらを指差してくすくす笑っている。
えっ?スーツなの?そんなに?そんなに引き締めていくもんなの?
途端に冷や汗が背中から湧いてきた。まぁでも大丈夫だろ。などと強がってみたのが、更に間違いだった。受験生達の群れが我先にと、トイレへ向かう。何だ?あの血走った眼は。必死なのだろう。この受験に命をかけているものだっていることに、この時、初めて俺は気がついたんだ。
簡単に言ってしまえば、受験生達の異様な緊迫感に、飲まれたのである。
生唾をごくりと飲む。これは気合いを入れなければ。監督補助の控室にゆくと、必死に皆マニュアルを何度も読み返しているじゃないか。誰もがこう思っているのだ。自分の責任で試験をぶち壊しにしたくない、と。自分の役割がいかに重要であるかよくわかっているのだ。そう、気がつけば我が双肩には何十人者の人生がのしかかっていた。
私、忠太も急いでマニュアルに眼を通した。…。意外とややこしい。何?機器の使い方も覚えないといけないの?リスニング中は会話ができないから、問題が起こったら、筆談!?筆談のやり方って?
マニュアルもマジだった。
かなり必死だったのでこの辺から記憶が曖昧。とりあえず、担当になった教室で高校生五十人とご対面する。皆、眼がマジだ。取って食われるんじゃないかと思うほどの真剣さ。ここで
忠太「ぴゃーい」
なんて言ってでもみろ。裁判沙汰である。結果として、緊張に飲まれたのが幸いだったか、無事業務をこなすことができたが、異様な緊張感の中で、試験中、激しいまでの郷愁に駆られた。自分が高三の頃はどんなだったかとか、センターの時は自分も緊張に負けて休憩時間に毎回、トイレに行ったなぁとか。
試験の最中、彼らは何を考えているんだろう。
と想いをめぐらせた。
三年間、塾やあまたの参考書を買い込んで、勉強してきたのだ。色んな人に教えてもらって、色んな青春とバランスを取って、この一瞬に全てをぶつけているのである。笑いごとじゃないんだな。試験中もずっとマニュアルを確認し続けた。万が一、トラブルが起きても対処できるように。30分の間、一切気を抜いたつもりはない。
長い。とても長い30分だった。
機器を回収する段になって、自分は色んな顔をした受験生を見た。
落ち込んで機器もろくに渡せず、下を向いている子。嬉々として機器を笑って帰してくれる子。
色んな想いが一つの教室に駆け巡っていた。彼らの試練がひとつ、終わったのだ。
おつかれさま、である。
とかなんとか考えながら、事務に戻ると、事務のおばちゃんの鬼のような形相に出くわした。
おばちゃん「忠太君」
悦に耽っていた忠太「あへ?何でしょう?」
おばちゃん「また渡した資料返してないでしょう!マニュアルと名札!さっさと出しなさい」
すんません、最後に気抜きました、思いっきり気抜きました。w 最後の最後におこられた。
まぁ無事に終わり、今自宅で、呑気にキーボードを打っているわけだが
つ、つかれた。大して働いてないけど、精神的に色々疲れますた。
受験生、明日もセンターがあると思うけれど、とりあえず無理はしないでほしいと思う。
それから緊張に弱い人は昼ごはんはペットボトルのお茶とカロリーメイトだけにしとくと、あんまりトイレに行かなくて済むと思います。
明日も気をつけて、いってらっしゃい。
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