鳥取旅行 よしみつの手記①

書いたよ！

鳥取のたび、義光視点でお送りいたします。


 

一日目
 

眠い。とりあえずどうにかこうにか民宿にはたどり着いたものの、すでに死ぬほど眠い。なぜにかくも眠いのかというと、当然のごとく寝ていないからだ。旅行当日にも関わらず、まあ一日目くらいは大丈夫であろう、と嵩をくくって朝刊配達のバイトを休まなかったのがそもそもの間違いであった。しかし後悔先に立たず。いくらわが身が満身創痍であろうと、虫の息かつ、三途の川に片足を突っ込んでいようともだ、鳥取砂丘は目と鼻の先にあり、となれば忠太郎、特に与助などが居を構えてボケッと待っているはずもない。速攻で砂丘に拉致されるに決まっている。と思いきや、与助氏も義光と同様に生ける屍と化していた。理由を質してみると、「怖い夢を見て眠れなくなった」という。小学生かお主は。反して忠太郎殿は、あたかも生まれたての桃太郎のごとく、またはタミフルを誤飲した健常者のごとく、元気バリバリ最強No.１といったいでたちで、手の付けようが無い。かくして我々ゾンビABと桃太郎は、民宿『すりばち』についてから５分と経たず、砂丘へ赴くことと相成った。

②へ続く