Dodoria.blogはクリエイター職を目指す義光、忠太郎、与助の3人が
互いを切磋琢磨しながら実力向上を図り、仕上がった作品を記録として残すために設けられたブログである。
category:忠太郎
阪急某駅を降りて
街並みと産業道路の境界線の辺りにひっそりと
佇む「高槻728」
高槻728、それは笑顔の素敵なMさん(女性)の経営する
BARだ。
街並みと産業道路の境界線の辺りにひっそりと
佇む「高槻728」
高槻728、それは笑顔の素敵なMさん(女性)の経営する
BARだ。
そしてBARで実際演奏すると聞かされたのは
一日前。
てっきりライブ会場で演奏すると考えていた僕は
正直、かなりお腹が痛くなった。
まず客席との距離がないという点だ。
それにそもそもBARという場所はお酒がメインでそこに
音楽が優雅にサブとして流れる。
僕らの音楽はサブというには非常にストイックで異質だ。
ああ、正露丸がこんなに恋しいと思われたのはいつぶりだろうか。
ああ、終わりだ。
さて、ここでこんなに思い詰めたのには実は訳がある。
実際、話そうと思えば、BARでライブをしました。
の一言で終わらせることができよう。
しかし、僕らはいつだって異質だった。
まず、1回も練習していなかったのだから。
それまで何回か曲作りを精力的に行ってきた僕らであったが、
ライブが決まってから一ヶ月何もしてこなかった。
ライブの当日、カフェに集まった。
ここでカフェでの会話の一部始終をご紹介願いたい。
K「今日、ライブ何時からやっけ?」
T「確か7時からですよ、三十分」
K「ええ!?三十分すんの?無理やて」
T(スタジオに電話)
K「どうしよう、どうしよう」挙動不審
こんな具合である。
スタジオに入ったのもこの時が初めて。これほどやばい状況は今まで経験したことがない。
スタジオまではみっちり時間を使って打ち合わせ
何しろ曲の構成さえも決まっていないのだ。
30分をどう生かすか?どのような照明の位置にするか?曲順は?MCは?MCなんて決めてる場合じゃねえだろう?じゃあ、どうすんすか?
なんだのかんだの、それはもうみっちり打ち合わせ。
お互い、本来まじめな気質なので、あまりの危機的状況に
打ち合わせが進む、進む。
それからスタジオに入って集中的に曲を一曲ずつ完成させてゆく。
さてここでそろそろ解説しておかなければならない。
ここまでの文章で奇妙に思った人もいると思う。
実はこのバンド、前も紹介したけれど
「サックスと詩の朗読」というかなり異質なバンドなのである。
Kがサックスそして僕が朗読。Tは忠太郎のTなのであしからず。
話を戻すが、基礎はもうできあがっている状態なので
どうやって30分演奏するかの方が問題であった。
途中、カリンバの演奏もあるのでこちらの打ち合わせにはかなり手間取った。
相当なプレッシャーと緊張でもう、お互い汗だくになって、ヒステリーになっていた。
K「もう知るかあああ!」スタジオのドラムをたたき出す
T「やめてください、ちょっと!もうええわ!このままやるぞ」続行
K(無茶苦茶にカリンバとドラムをたたき出す、でも本気。何故ってリズムが整ってる)
T(何とかあわせて、かなりおかしな声も出したが、あわせる)
そんなこんなで終わった頃には息ぴったり。
トイレへ揃ってダッシュした。
さて今度は道具である。何しろ、打ち合わせの段階で
照明を消して貰うことになったのだ。
やばい。
明かりがないのである。そこで懐中電灯および、ストップウォッチ、クリップを買いに
ダイソーへダッシュ。
リハは4時に集まって五時から
今何時?
3時半♪
うわああああ!
着いた頃には汗だくで、それはもうなんとみすぼらしく見えたことであろう。
それでも入り口で素敵な笑顔で出迎えてくれはった店長のMさん、本日はよろしくお願いします。
入ってゆくとそれはもう、インドチックな、エスニック系の臭いがたまらない。
カウンターが暗闇に包まれて、奥に伸びている。
BGMにはラテン系のが流れていて、ふと見ると、レコードがひっそりとカウンターの
片隅で音を鳴らしているのであった。
奥にゆくにつれて空間はだんだんとその広がりを見せてゆく。
音楽と人。
繫げるための空間だった。
様々なバンドが演奏しやすいように配慮して作られた舞台は何故だか僕らを安心…
もうだめ。
見てるだけでひざががくがくである。たまらず2台あるテーブルの内の一つに座った。
ああ、やばい。客席との距離が近すぎるよぉおお。何やねん、そんなに音楽と人を繫げたいのか!
何?人は音楽でつながれるって?
僕らもう、ばらばらですよ、ばらばら。
息が合ったの、腹が痛いってことぐらいですよ。トイレットペーパーが足りなかったことくらいですよ!
ちゃんと拭けましたってスタジオの店員さんに心配されて爆笑したくらいですよ!
こんなんで他のバンドさん達と上手くやっていけるのか…
ガシャリ
他のバンドさん方、来ちゃったぁあああああああ!
そりゃ来るよねw
でもここで怖いのはみんなすごくね、おしゃれしてるの。
エスニック系にさらにエスニックを混ぜ合わせたようなね、偉いよね。
それにね、すごくみんな上手そうなの。
ドラムにキーボードにギターソロ。
何、その64ビートくらいのリズム。
何、あなた宇多田ヒカルさんですか。
何、あなた母胎でギター弾いてました?錆びますよ?
ところでドラムの方とはもう実は一度お会いしたことがあった。
京都の三条の路上ライブに来て下さった方なのだ。
リハーサル次はいよいよ僕らの番。
何故か爆笑の渦に包まれて終わりましたw
やべぇ…
でもディジュリドゥを吹く方もいらしゃって、すごく会話に新鮮みを感じたひとときだった。
あんなにもぎたてほやほやの会話は久しぶりかもしんない。
ドラムの方はいろいろアドバイスをくれて、勉強できましたw
さてさて、ここで問題です。会話の最中、平気そうな文章にしてますが、
腹はもうよじれまくり。w
心は崩壊寸前、何かもうキレちゃいそう…
会話を早めに切り上げ、なか卯へ向かった。
サックスのKさん、本当に押さえてくれてありがとう。
とりあえず、カフェに入り、一服。マイルドセブン、うめぇ。
落ち着いてきた。もういいや。全部どうでもいい。
何?今日ライブあんの?出演、俺?へぇ、いいよぉ。的な?
上記は6時半頃の心理状況でございます。
BARに向かう途中、一匹の猫とすれ違った。
「にゃあ」
紫の右目をした猫はそのまま、逃げていった。
BARにつくと、混雑していた。たくさんの人で溢れかえっていた。
終わりである。
Kさんは僕と同じで頭がおかしくなっちゃったのかビールを二杯くらい開けた。
僕も飲んだ。短い人生だった。終わりだ。
カツン
乾杯した。お互いの無事を祈った。心が折れて、おかしくならないことを祈りあう他なかった。
そして本番、
大成功だった。
一曲目は「色」という曲だったが、この曲は間隔重視のサックス主体の曲。
ビールで頭が酔っている。しかし、アドレナリンが、アドレナリンが!
冷静と情熱の間で、よじり狂ってゆく!
間隔がだいぶ空くので、僕は完全に酔っぱらっていたが、思いの外、
冷静だった。
サックスのKさんも、このとき、かなりアドレナリンが出ていたらしく
気持ちが良いと後で聞いた。
二曲目は「鳥肌」
声が出始めた。声を自由に表現できるようになっていた腹から面白い程
声が出る。なんだ、なんなんだこの状況。何でみんな、笑ってんだ?
あ、手が震え始めた。
三曲目は「人間と海」
ボードレールの詩だ。手がぶるぶる震えて、詩が読めない。MCで何をしゃべったか覚えていない。
必要最低限しかしゃべっていないような気がする。ああ、寒い。
だけど興奮する。笑ってる。何で笑っているんだ。僕らは最低限のことしかしてないってのに。
四曲目は「蚤」
ジョン・ダンの詩だ。ミスることは許されない。
朗読が重視のこの曲は、本当に自分との戦いだった。
言葉の応酬。背景の理解。
また皆が笑う。朗読とは実は笑わせるものなのだと聞いたことがあった。
知らない。そんなの。
僕は最小限が好きなんだ。媚びたりしない。
五曲目は「日本海の場合」
僕が作った詩だ。もう独壇場。調子に乗りまくった。
笑い声がこだまする。
だけど、傲慢な僕は負けてしまう。
ライブは成功したにもかかわらず、感情移入しなければならない詩の朗読は
容赦なく、自身の心をナーバスにする。
拍手が渦巻く中、
僕はそのまま、逃げ出した。
一日前。
てっきりライブ会場で演奏すると考えていた僕は
正直、かなりお腹が痛くなった。
まず客席との距離がないという点だ。
それにそもそもBARという場所はお酒がメインでそこに
音楽が優雅にサブとして流れる。
僕らの音楽はサブというには非常にストイックで異質だ。
ああ、正露丸がこんなに恋しいと思われたのはいつぶりだろうか。
ああ、終わりだ。
さて、ここでこんなに思い詰めたのには実は訳がある。
実際、話そうと思えば、BARでライブをしました。
の一言で終わらせることができよう。
しかし、僕らはいつだって異質だった。
まず、1回も練習していなかったのだから。
それまで何回か曲作りを精力的に行ってきた僕らであったが、
ライブが決まってから一ヶ月何もしてこなかった。
ライブの当日、カフェに集まった。
ここでカフェでの会話の一部始終をご紹介願いたい。
K「今日、ライブ何時からやっけ?」
T「確か7時からですよ、三十分」
K「ええ!?三十分すんの?無理やて」
T(スタジオに電話)
K「どうしよう、どうしよう」挙動不審
こんな具合である。
スタジオに入ったのもこの時が初めて。これほどやばい状況は今まで経験したことがない。
スタジオまではみっちり時間を使って打ち合わせ
何しろ曲の構成さえも決まっていないのだ。
30分をどう生かすか?どのような照明の位置にするか?曲順は?MCは?MCなんて決めてる場合じゃねえだろう?じゃあ、どうすんすか?
なんだのかんだの、それはもうみっちり打ち合わせ。
お互い、本来まじめな気質なので、あまりの危機的状況に
打ち合わせが進む、進む。
それからスタジオに入って集中的に曲を一曲ずつ完成させてゆく。
さてここでそろそろ解説しておかなければならない。
ここまでの文章で奇妙に思った人もいると思う。
実はこのバンド、前も紹介したけれど
「サックスと詩の朗読」というかなり異質なバンドなのである。
Kがサックスそして僕が朗読。Tは忠太郎のTなのであしからず。
話を戻すが、基礎はもうできあがっている状態なので
どうやって30分演奏するかの方が問題であった。
途中、カリンバの演奏もあるのでこちらの打ち合わせにはかなり手間取った。
相当なプレッシャーと緊張でもう、お互い汗だくになって、ヒステリーになっていた。
K「もう知るかあああ!」スタジオのドラムをたたき出す
T「やめてください、ちょっと!もうええわ!このままやるぞ」続行
K(無茶苦茶にカリンバとドラムをたたき出す、でも本気。何故ってリズムが整ってる)
T(何とかあわせて、かなりおかしな声も出したが、あわせる)
そんなこんなで終わった頃には息ぴったり。
トイレへ揃ってダッシュした。
さて今度は道具である。何しろ、打ち合わせの段階で
照明を消して貰うことになったのだ。
やばい。
明かりがないのである。そこで懐中電灯および、ストップウォッチ、クリップを買いに
ダイソーへダッシュ。
リハは4時に集まって五時から
今何時?
3時半♪
うわああああ!
着いた頃には汗だくで、それはもうなんとみすぼらしく見えたことであろう。
それでも入り口で素敵な笑顔で出迎えてくれはった店長のMさん、本日はよろしくお願いします。
入ってゆくとそれはもう、インドチックな、エスニック系の臭いがたまらない。
カウンターが暗闇に包まれて、奥に伸びている。
BGMにはラテン系のが流れていて、ふと見ると、レコードがひっそりとカウンターの
片隅で音を鳴らしているのであった。
奥にゆくにつれて空間はだんだんとその広がりを見せてゆく。
音楽と人。
繫げるための空間だった。
様々なバンドが演奏しやすいように配慮して作られた舞台は何故だか僕らを安心…
もうだめ。
見てるだけでひざががくがくである。たまらず2台あるテーブルの内の一つに座った。
ああ、やばい。客席との距離が近すぎるよぉおお。何やねん、そんなに音楽と人を繫げたいのか!
何?人は音楽でつながれるって?
僕らもう、ばらばらですよ、ばらばら。
息が合ったの、腹が痛いってことぐらいですよ。トイレットペーパーが足りなかったことくらいですよ!
ちゃんと拭けましたってスタジオの店員さんに心配されて爆笑したくらいですよ!
こんなんで他のバンドさん達と上手くやっていけるのか…
ガシャリ
他のバンドさん方、来ちゃったぁあああああああ!
そりゃ来るよねw
でもここで怖いのはみんなすごくね、おしゃれしてるの。
エスニック系にさらにエスニックを混ぜ合わせたようなね、偉いよね。
それにね、すごくみんな上手そうなの。
ドラムにキーボードにギターソロ。
何、その64ビートくらいのリズム。
何、あなた宇多田ヒカルさんですか。
何、あなた母胎でギター弾いてました?錆びますよ?
ところでドラムの方とはもう実は一度お会いしたことがあった。
京都の三条の路上ライブに来て下さった方なのだ。
リハーサル次はいよいよ僕らの番。
何故か爆笑の渦に包まれて終わりましたw
やべぇ…
でもディジュリドゥを吹く方もいらしゃって、すごく会話に新鮮みを感じたひとときだった。
あんなにもぎたてほやほやの会話は久しぶりかもしんない。
ドラムの方はいろいろアドバイスをくれて、勉強できましたw
さてさて、ここで問題です。会話の最中、平気そうな文章にしてますが、
腹はもうよじれまくり。w
心は崩壊寸前、何かもうキレちゃいそう…
会話を早めに切り上げ、なか卯へ向かった。
サックスのKさん、本当に押さえてくれてありがとう。
とりあえず、カフェに入り、一服。マイルドセブン、うめぇ。
落ち着いてきた。もういいや。全部どうでもいい。
何?今日ライブあんの?出演、俺?へぇ、いいよぉ。的な?
上記は6時半頃の心理状況でございます。
BARに向かう途中、一匹の猫とすれ違った。
「にゃあ」
紫の右目をした猫はそのまま、逃げていった。
BARにつくと、混雑していた。たくさんの人で溢れかえっていた。
終わりである。
Kさんは僕と同じで頭がおかしくなっちゃったのかビールを二杯くらい開けた。
僕も飲んだ。短い人生だった。終わりだ。
カツン
乾杯した。お互いの無事を祈った。心が折れて、おかしくならないことを祈りあう他なかった。
そして本番、
大成功だった。
一曲目は「色」という曲だったが、この曲は間隔重視のサックス主体の曲。
ビールで頭が酔っている。しかし、アドレナリンが、アドレナリンが!
冷静と情熱の間で、よじり狂ってゆく!
間隔がだいぶ空くので、僕は完全に酔っぱらっていたが、思いの外、
冷静だった。
サックスのKさんも、このとき、かなりアドレナリンが出ていたらしく
気持ちが良いと後で聞いた。
二曲目は「鳥肌」
声が出始めた。声を自由に表現できるようになっていた腹から面白い程
声が出る。なんだ、なんなんだこの状況。何でみんな、笑ってんだ?
あ、手が震え始めた。
三曲目は「人間と海」
ボードレールの詩だ。手がぶるぶる震えて、詩が読めない。MCで何をしゃべったか覚えていない。
必要最低限しかしゃべっていないような気がする。ああ、寒い。
だけど興奮する。笑ってる。何で笑っているんだ。僕らは最低限のことしかしてないってのに。
四曲目は「蚤」
ジョン・ダンの詩だ。ミスることは許されない。
朗読が重視のこの曲は、本当に自分との戦いだった。
言葉の応酬。背景の理解。
また皆が笑う。朗読とは実は笑わせるものなのだと聞いたことがあった。
知らない。そんなの。
僕は最小限が好きなんだ。媚びたりしない。
五曲目は「日本海の場合」
僕が作った詩だ。もう独壇場。調子に乗りまくった。
笑い声がこだまする。
だけど、傲慢な僕は負けてしまう。
ライブは成功したにもかかわらず、感情移入しなければならない詩の朗読は
容赦なく、自身の心をナーバスにする。
拍手が渦巻く中、
僕はそのまま、逃げ出した。
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